葉酸の効果

葉酸にはダウン症を予防する効果があるの?男性も摂取すべき?

 

「ダウン症を予防するなら葉酸って聞いたけどホント?」

「葉酸にダウン症を予防する効果ってあるの?」

「ダウン症予防には男性も葉酸を摂取すべき?」

「ダウン症になる原因って何?」

なんてあなたは思っていませんか?

最近はダウン症を始め先天的な遺伝症状を予防する効果が広まっています。
今回は葉酸がダウン症予防に効果があるのか解説したいと思います。

ダウン症とは

「ダウン症候群」(ダウンしょうこうぐん、英: Down syndrome)

最初の報告者であるイギリス人のジョン・ラングドン・ダウン医師の名前より、1965年にWHOによって命名されました。
一般的にダウン症と呼ばれますが、蒙古症(もうこしょう)とも呼ばれます。
細胞の21番目の染色体が1本多くなっていることから「21トリソミー」とも呼ばれます。

ダウン症の原因とは

精子や卵子がつくられる際、または受精卵の発育初期の分裂異常のいずれかに偶然に起きる遺伝子の分裂異常です。
これらの分裂異常がなぜ起こるのかはまだわかっていません。
染色体は通常46本あり、22対(44本)の常染色体と1対(2本)の性染色体から成り立っています。
しかし、ダウン症は2本組となっている染色体が3本の染色体に突然変異すること(トリソミー)によって発症します。
ダウン症はこのトリソミーが21番染色体に起こることが原因です。

ダウン症の種類について

トリソミーは以下の3タイプに分けられます。

21トリソミー(標準型)

ダウン症の中で最も多くを占め、90~95%がこの21トリソミー型です。
両親は一般に正常な染色体を持っており、精子または卵子を形成する際の減数分裂における染色体の不分離が原因となり、偶発的にトリソミーになるようです。

転座型

ダウン症全体の5~6%に起きる型です。
21番染色体の不分離による転座で、21番目の染色体のうちの1本が他の染色体(13番、14番、15番、21番、22番)にくっついています。
両親とも正常な染色体をもつ場合と、両親のどちらかが遺伝型転座を持っている為に起きてしまう場合と2つの場合があります。
遺伝性で起こる確率は2~3%でその場合は適切な遺伝カウンセリングを受ける必要があります。

モザイク型

全体でみると1~3%と最も少ない型です。
21番染色体の染色体が正常の2本のものと、トリソミーを起こしている3本の細胞が混ざっているため、「モザイク型」と呼ばれています。
こちらも両親は正常な染色体を持っており、受精卵として細胞分裂をしている過程で染色体の不分離が起きたことが原因とされています。
ほとんどが正常な細胞で一部の細胞がトリソミーという様に混在しているため、重度の障害が無いことが多く、内臓などの奇形が無いことも多いようです。

もちろん、染色体のトリソミーは21番染色体以外にも起こります。
常染色体は生命活動に必須な遺伝子情報が含まれるので、トリソミーとなった場合は通常、生命活動を存続することはできません。
ダウン症の21番染色体トリソミーについても80%は流産や死産に終わり、出生することが出来るのはほんの20%に過ぎません。

ダウン症になる確率について

母体の年齢が高いほどダウン症の発生頻度は増加する傾向となり、25歳未満では1/2000の確率ですが、35歳で1/300、40歳で1/100・・・と年齢が高くなるほど自然妊娠の確率は低くなり、対してダウン症を出生するリスクが高くなっていきます。

高齢出産でダウン症児が生まれやすい理由

一般的には卵子の老化が原因と言われており、35歳以上の高齢妊娠でダウン症や染色体異常がおきる可能性が高まるといわれています。
もちろん、女性側ばかりではなく男性側にも原因があり、男性の場合は40歳以上で「高齢」の枠組みになります。
卵子と同じく精子をつくる細胞も加齢によって染色体異常を起こす可能性があります。

ダウン症ってどういう症状や特徴があるの?

人種を問わない特徴的に平坦な顔つき(目が小さくつり上がっている、くっきりした二重瞼。鼻は低く、扁平で幅広い。舌がやや長い)があります。
ダウン症の赤ちゃんは新生児から乳児期に手の平に一本だけ横に線が走る線(猿線)があることも特徴で筋力がとても弱い為に、哺乳不良なども起こしやすいのです。
身体についても低身長で肥満になりやすく、後頭部が平らな頭が翼状頸(よくじょうけい~太い短い首)に載っている容貌、外反偏平足を持つことが大きな特徴です。
筋肉の緊張度が極めて低く、柔らかく良く伸びる皮膚を持っています。
ダウン症の症状として身体の発達が遅く、知的発達についても軽~中度の遅れが見られます。
内臓や器官に奇形を伴っていることも多いので、鎖肛(直腸や肛門の奇形)や先天性心疾患、先天性食道閉鎖症、白血病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症などの疾病を高い確率で合併していることがあります。
睡眠時無呼吸や難聴、耳の感染症を起こしやすい、白内障や斜視、屈折異常など耳鼻科や眼科疾患を持っている場合も多く見られます。
ダウン症の場合はアルツハイマー病を起こす確率が40代以降になると健常人と比較して高確率になりますが、逆に高血圧や脳卒中、癌になる確率は健常人よりも極端に低いといわれています。

ダウン症の予防に葉酸が効果あるって本当?

「赤ちゃんを元気にする栄養の話」(保健同人社2008/9/10 東京慈恵会医科大学病院総合母子健康医療センター・小児脳神経学科教授 大井静雄 著)に世界的な医学誌「ランセット(LANCET)」の2003年4月に掲載された「葉酸がダウン症を防ぐ可能性がある」という発表について執筆されています。
以下はそのLANCETの論文を和訳したものです。

「ダウン症候群の幼児の一部の母が葉酸とメチル(葉酸遺伝子の突然変異だけでなく)の異常な代謝があるという証拠があります。そして、それは神経管欠損(NTD)でも見られる特徴です。
したがって、別に考慮される各々の障害の発病率に期待されるより、ダウン症候群とNTDが同じ家族でよりしばしば起こるかどうか、我々は調査しました。その調査結果カルテからデータをとり、ダウン症の神経管欠損(NTD)は直接的に関係している事が検証され、葉酸サプリメントでダウン症のリスクを防ぐ事が可能です。」

「メチル」とは、葉酸をはじめビタミンB群が代謝経路を経て、身体の中で働くことができる状態になったものですが、このメチル化する遺伝子(MTHFR遺伝子)を持っていないといくら葉酸やビタミンB群を摂っても身体で使われないということです。
そういった場合は身体ですぐに働くことができる様に活性化した葉酸やビタミンB群のサプリメントや医薬品、またはその代謝経路を回す別の薬品などを用いて治療することがあります。
(参照 赤ちゃんを元気にする栄養の話 大井静雄著 保健同人社、PUbMed.gov

葉酸はダウン症以外にも先天性異常に効果がある

厚生労働省では

「妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間、通常の葉酸摂取量に加えて栄養補助食品(サプリメント等)から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することが期待される」

としています。

妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間は1日に食事から天然葉酸を480μg摂ることに加えて、葉酸サプリメント0.4mg(400μg)を摂ることが推奨されています。
(参照 神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について 平成12年12月28日)

葉酸の効果やメリットは?妊娠前いつから摂取するべき?

神経管閉鎖障害について

〜神経管閉鎖障害(神経管癒合不全)〜

胎児期の中枢神経系の基である神経管は通常、受胎後約28日あたりには骨や筋肉、皮膚で覆われています。神経管閉鎖障害とは神経管の一部または全部が開いたままの状態のことをいいます。
神経管が開いたままになっていると脳や脊髄などの中枢神経系が正常に作られません。
神経管がむきだしになっていることで他の臓器への癒着や中枢神経が損傷し神経障害を起こします。
上部で起こる場合は脳の形成不全、下部で起きる場合は脊髄の形成不全となります。

無脳症について

脳の形成不全(上部)~無脳症~

胎児の脳の一部または全部が作られない状態。
ほとんどが流産や死産となります。
もし出産しても長く生きることはできません。
妊娠初期から中期での超音波検査で診断が可能で中絶手術を選択されることが多いです。

二分脊椎症について

・脊髄の障害(下部)~二分脊椎症~

脊髄の異常が起こる部位によって症状が大きく異なり、症状の個人差が非常に広いのも特徴です。
また脊髄が露出しているか、閉じた状態かでも症状が異なります。
脊髄の障害が発生している部位から下の運動機能と知覚が麻痺し内臓機能にも影響を与えます。

① 在性二分脊椎症(開放性)

経腟分娩は瘤の破裂や髄膜炎などの感染が考えられるため、帝王切開での出産となります。
露出した脊髄(脊髄髄膜瘤)は感染を起こすリスクが高いため、出生後すぐに開いている脊髄部分を閉じる緊急手術が必要です。
損傷している部位や、状態が重度または軽度なのかによっても障害の程度が異なります。
下肢障害の場合は車椅子や補装具が必要です。
損傷による神経麻痺のために排泄機能が障害を起こしている場合は自力排泄することができないので導尿などの処置が必要となります。

② 潜在性二分脊椎症(閉鎖性)

脊髄などが皮膚表面に露出していないので、幼児期は症状が見られないことも多いようです。
成長期や思春期に身長が急激に伸びる際に癒着していた脊髄が無理に引き延ばされてしまうことで下肢の神経の機能低下が起こります。
転びやすい、尿を漏らしてしまうなどの症状が出ることがあります。

葉酸は女性だけが摂取すればいいの?男性も摂取すべき?

葉酸は細胞分裂を行う際に重要な役割を持っています。
葉酸が十分にあることで細胞分裂をしたときに遺伝子が正常に転写し正しい遺伝情報を伝達していくことができるのです。
ですから葉酸は男女を問わず必要な栄養素であることがわかると思います。
特に妊娠を計画されている場合は女性だけでなく、男性にも葉酸をしっかり摂って頂くことをおすすめします。

葉酸の効果解説!妊活中に男性も摂取する必要ある?メリットは?

葉酸をいつからいつまで摂取するとダウン症の予防に効果があるの?

妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間の妊娠初期はもちろんですが、男性、女性ともに妊娠する以前から葉酸を充分摂ることで細胞のひとつである卵子や精子の細胞を正常に作っていくように働きかけることがダウン症など赤ちゃんの異常を防ぐために重要です。

葉酸サプリの必要な時期徹底解説!いつからいつまで摂取するの?

おなかの赤ちゃんがダウン症か検査するにはどうしたらいいの?

妊娠3ヶ月~6ヶ月(9~22週)頃の時期に出生前診断または新型出生前診断を受けることでおなかの赤ちゃんに異常があるかどうかを検査することができます。
出生前診断とは、「胎児に奇形や病気、染色体異常がないかどうか」を調べる検査です。

ダウン症の検査は妊娠何ヶ月目でできるの?

妊娠初期に以下の検査を受けることで胎児の異常を発見することが可能です。
特に妊娠5ヶ月(16~17週)目に受けることができる羊水検査は染色体異常の発見について、99%以上の高い精度を持っているためおなかの赤ちゃんがダウン症かどうかを判定することができます。
(※モザイク型のダウン症については正常な細胞とトリソミーを起こしている細胞が混ざっていることで羊水検査でも診断が難しい様です。)

超音波検査(胎児超音波スクリーニング検査)

胎児の発育状態や胎盤、羊水量を超音波によって診ることができるので産婦人科で広く取り入れられている検査方法です。
頭部の異常や心臓の奇形なども調べることができます。

母体血清マーカーテスト(トリプルマーカーテスト、クアトロテスト、AFP4テスト)

妊婦さんの血液のタンパク質(アルファフェトプロテイン、ヒト絨毛ゴナドトロピン、エストリオール、インヒビンA)の濃度を測定する検査です。
胎児がダウン症または18トリソミー、神経管の欠損などがあると母体血中のアルファフェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピンエストリオー ルが異常に高くなる、あるいは異常に低くなるという傾向があります。
この検査の推奨時期は妊娠15週~22週頃とされ、結果が出るまでの日数は10日前後です。
母体からの採血結果に、母親の年齢と体重を加味して、胎児に異常があるかどうかの確率を計算するという検査方法です。
精度はおおよそ80%位とされますが、先天性異常が本当にあるのかどうかはこの検査では確定できません。

羊水検査(羊水穿刺、羊水染色体検査)

超音波の機器を使用して胎児や胎盤、羊水の位置を観察しながら、穿刺針を子宮の中へ挿入し、15~20mlの羊水を採って調べます。
羊水には、胎児の皮膚や粘膜などの細胞が混じっているのでそれを培養して染色体の数や形などを調べます。
この羊水検査の精度は99%以上とされており、母体血清マーカー検査‎‎や新型出生前診断後の確定診断として用いられています。検査結果が出るまで約2週間かかります。
羊水検査によって流産が引き起こされるのではないかと懸念されますが、羊水検査によって流産が起こる確率は1000人中1~3人(約0.1~0.3%程)といわれています。
羊水検査が実施される妊娠5ヶ月(16~17週)頃は自然流産も多い時期でもあるので混同されてしまうケースも多い様です。

 絨毛検査

絨毛は受精卵から発生しているので胎児と同じ染色体を持っています。
その絨毛の組織を採って調べる検査です。
絨毛検査は、超音波の機器を使って胎盤の位置を確認しながら、子宮頸部にカテーテルを挿入するか、おなかに針を挿入して絨毛を採取して、細胞を培養して染色体の数や構造を調べ、染色体に異常の有無を調べる検査です。
絨毛の採取なので羊水検査ほどは深く針を刺さずに済みますが、子宮頚部からの検査は出血や感染を起こしたり、破水する可能性が高いのでおなかから採ることが多いです。
絨毛検査のリスクは羊水検査と同じくらいといわれています。
妊娠9週以前にこの検査を行うと胎児の発達、特に手足の形成に影響が出てしまうので妊娠3~4ヶ月(10~14週)頃に受けることが推奨されています。
羊水検査よりも技術が必要とされるため、この検査を実施している医療機関は日本国内では多くありません。
約1%の確率で絨毛の一部で染色体異常があり、胎児は正常である「染色体モザイク」と呼ばれるケースがあります。この場合は羊水検査を行って確認をする必要があります。

母体血を用いた出生前遺伝学的検査~新型出生前診断、無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT~Non-Invasive Prenatal genetic Test)

母体の血液だけで胎児の染色体疾患である13トリソミー、18トリソミー、ダウン症候群(21トリソミー)をスクリーニングできる検査です。
採血だけで検査をすることができるということで大きな話題となりました。
しかし、この検査には欠点があり、妊娠週数が進むにつれて母体血中の胎児由来遺伝子濃度が減少するため、検査精度が下がります。
妊娠10~18週頃の時期でなければ新出生前診断を受けることができません。
結果が出るまでは2~3週間かかります。
診断を確定する場合にはやはり羊水検査が必要となります。
また、すべての人が受診できるわけではありません。
以下の条件に当てはまり、妊娠されている方が自らの意思で希望する場合のみ、検査を受けることを許可されます。

・出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上を迎える高齢出産である。

・妊婦さん本人または旦那さんに染色体異常が見られるため、胎児がダウン症候群などの先天性疾患を罹患している可能性が高い場合。

・過去に実際に13トリソミー、18トリソミー、ダウン症候群を患った赤ちゃんを妊娠・出産した経験があること。

受診できる施設については産婦人科医と小児科医が常勤で勤務していることと、遺伝に関する専門外来を開設し遺伝カウンセリングの体勢が整備されていること。
更にその施設が産婦人科学会に認定された施設でないとこの検査を行うことができません。
2016年6月現在、日本国内で70施設がこの認定施設に該当します。

母体保護法では中絶手術が可能な期間は「21週6日まで」とされています。
妊娠22週目を過ぎてから中絶手術を行うことは違法行為となります。
中絶手術が可能である妊娠5週~21週の期間の中で妊娠初期である妊娠12週以前に行われるケースが多いのですが、妊娠中期にあたる12週以降あるいは胎児の体重が500g以上の場合は出産と同じ形で胎児を摘出しなければならないため、「死産」の扱いになり、胎児の死亡届を提出しなくてはなりません。
「出産」か「中絶」かどちらを選択する場合も妊娠週数が大きく関わってきます。

この母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査は現在、主に「臨床研究」として行われています。
全く新しいタイプの検査であり、そのメリットやリスク、生命倫理などをどう認識して施行していけば良いのか専門家の間でも大きな課題となっています。

さいごに

今回は、ダウン症の予防に葉酸が効果があるかという事をお話してきました。
男性も女性も妊娠から一ヶ月以上前から葉酸を摂取することが好ましいと言われています。
でも妊娠するタイミングなんて分からないですよね。
だからこそ思い立った今から葉酸を摂り続けるといざ妊娠した時に葉酸の効果が十分発揮できるでしょう。
もし妊活中でしたら今から葉酸を摂取してみてくださいね。
そして是非元気な赤ちゃんを出産してください。

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