葉酸の効果

葉酸の効果やメリットは?妊娠前いつから摂取するべき?

2016/08/04

葉酸

「葉酸っていつから摂取したらいいの?」

「葉酸は妊娠する前から摂った方がいいんだよね?」

「葉酸の効果やメリットってどういうの?」

「葉酸を摂取するにはどういう方法があるの?」

なんて思っていませんか?
今では母子手帳にも葉酸を摂取した方がいいという旨が記載されているのです。
これは2002年から記載されました。
厚生労働省でも葉酸の摂取を推奨しています。

とはいうものの葉酸ってよくわからないですよね?

なので様々な文献を調べて葉酸について詳しく調べました。
妊娠前の女性の方から妊娠中の女性には是非読んで頂きたい記事です。
それではどうぞ。

目次

妊娠前の女性に葉酸がなぜ必要? ~その理由と役割について~

葉酸

まず始めに葉酸がなぜ必要なのかを解説します。

「葉酸」とは?

葉酸(ようさん)(英: folate)1941年にロジャー・ウイリアムス博士によって乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの葉から発見されました。
葉はラテン語で folium と呼ばれることから葉酸 (folic acid) と名付けられています。
別名:ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸。
水溶性ビタミンに分類され葉酸は体内で還元を受け、ジヒドロ葉酸を経てテトラヒドロ葉酸に変換された後に補酵素として働いています。
植物性食品だけでなく、動物性食品であるレバーにも多く含まれます。

どうして葉酸を摂ることが必要なの?

葉酸を摂ることで胎児の先天異常である神経管閉鎖障害や二分脊椎症が発生するリスクを減らし、母体の巨赤芽球性貧血を予防する効果があります。
また動脈硬化を予防する働きをしています。
最近では認知症や脳梗塞の予防効果があることもわかってきました。

妊娠前に必要な葉酸の摂取量は?

まずはこちらの表を御覧ください。

出典 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015年版を加工して作成

出典 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015年版を加工して作成

妊娠をしていない出産適齢期の女性(18~49歳)の葉酸の目標摂取量は240μgです。
その数値にさらに240μgが付加されて
1日480μgが目標摂取量となります。

葉酸は妊娠前のいつからいつまで摂取すべき?

葉酸

胎児の神経管形成期の期間の受胎前後から妊娠初期まで摂取することが大切になります。
先天異常の多くは妊娠直後から妊娠10週以前に発生しています。
妊娠の兆候があってから葉酸を摂り始めるのでは既に胎児の神経管の形成時期が終わってしまうので遅いということです。
妊娠予定1か月以上前から妊娠3か月までを目安に摂取することをおすすめします。

(出典 児母第72号、健医地生発第78号、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について、平成12年12月28日参照)

葉酸を過剰摂取した時の副作用について

食品中に含まれている天然の葉酸についての多く摂りすぎた場合の副作用は、葉酸としての体内での吸収率が低く50%と見積もられています。
実際、食品によっての吸収率はまちまちです。
さらに加熱、調理などで葉酸としての栄養素が破壊されやすいので過剰摂取となった際の副作用はほぼ無いといってよいでしょう。
それに対して医薬品やサプリメントに使われている化学合成で作られた葉酸は体内での吸収率が85%と高いので、摂り過ぎには注意が必要です。
1日1000μg以上を摂り続けた場合、発熱を伴う蕁麻疹または皮膚のかゆみ、毛細血管が広がって皮膚に紅い斑点ができる(紅班)、吐き気や食欲不振、呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあります。
また、妊娠後期の30~34週まで1000μg以上を摂り続けていると、その赤ちゃんは生まれてから喘息になりやすくなるといわれています。

葉酸を摂取することの効果やメリット

妊娠

それでは葉酸を摂取する効果とメリットについてみていきましょう。

葉酸の体内での葉酸の主な働き

葉酸は体内に入る主に補酵素として細胞のDNAやアミノ酸の生合成や分解に重要な役割をしています。
特に赤血球などの細胞を作ることに関与しています。
それによって貧血の予防をしたり、成長を促進したり、胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果があります。
また葉酸を摂ることで動脈硬化を予防する効果と脳機能を改善して認知症や脳梗塞を予防すると言われています。

子宮内膜を正常な厚さに整えることによる着床率の向上

妊娠に適した子宮内膜の厚さはだいたい8~10mmと言われています。
あまり厚さは関係がないという話もありますが、5mm以下の内膜ではやはり育ちにくい様です。
これは女性ホルモンの黄体ホルモンや卵胞ホルモンのホルモンバランスの状態に影響を受けるからです。
着床する受精卵も染色体に異常を起こしていたりすると着床することができなかったり流産など、残念な結果に繋がります。

私達の身体はたくさんの細胞の集まりによって作られています。
葉酸の細胞を作る効果はもちろん全身の細胞を作る効果でもあります。
葉酸を摂ることによって、全身の細胞の生合成や分解が正常に行われることを助けてくれます。
その結果、ホルモンバランスも整えられることになります。
特に葉酸は卵胞ホルモンの分泌を良くする効果があります。
この卵胞ホルモンの働きで卵子のもとになる卵胞の発育が良くなり、健康な卵子が生まれます。
妊娠を維持するのに適した厚みのフワフワの子宮内膜を作り、健康に育っていくことができる受精卵となり、着床率のアップにつながります。

また男性が葉酸を摂取することも妊娠するにはとても大切になります。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
葉酸の効果解説!妊活中に男性も摂取する必要ある?メリットは?

基礎体温の向上

体温

最近は女性だけでなく男性でも体温が低い方が多くなっています。
体温が低いという事は体の代謝や内臓の機能も低下することに繋がります。
感染症にもかかりやすくなり、女性ですと不妊の原因にもなります。
できれば36.5℃、少なくとも36℃代が望ましいです。
基礎体温が低いほとんどの場合が「血行不良」で、貧血や冷え性を持っている方が多い様です。

葉酸は正常な血球を作ることに関与していますので血液量を増やすことにつながります。
その結果「基礎代謝」もアップするので、卵巣や子宮などの臓器の働きも良くなるでしょう。

また基礎体温が上がることについては女性ホルモンも関連しています。
女性の基礎体温は一般的な28日周期の場合は生理開始から排卵までの低温期の14日間と排卵から生理開始までの高温期の14日間に分かれます。
通常は低温期に卵胞ホルモンが働いて卵子を発育させ排卵となるのですが、この卵胞ホルモンの分泌が悪いと排卵がなかなか起きず低温期が長引いてしまいます。
葉酸は卵胞ホルモンの分泌を促す作用があるので、摂ることで基礎体温を上昇させ、生理周期を安定することを助けてくれます。

葉酸欠乏症の予防

私たちは身体で葉酸を貯めておくことはほぼできません。
野菜や果物類を十分に食べていないなど葉酸が少ない食事を続けていると、数カ月で葉酸欠乏症になります。
葉酸が不足すると初期症状として肌荒れや疲労感を感じ、口内炎や胃腸で潰瘍を起こすことがあります。

葉酸欠乏症が重度になると巨赤芽球性貧血になり、一般的な貧血の症状である立ちくらみや息切れ、めまいなど加えて、ハンター舌炎といわれる舌の異常(舌が赤くなる、表面がツルツルになる、痛みや味覚低下)が見られます。
また、葉酸が不足すると体内でホモシステインというアミノ酸が代謝できずに増加してしまい、動脈硬化症になるリスクが高まります。

妊娠している女性の場合、葉酸が欠乏すると胎児の発達障害として口唇・口蓋裂(唇の形を正常に作られない)をはじめとする奇形や神経管閉鎖障害などが起きることがあります。

※葉酸は様々な代謝経路を経て、活性型の葉酸に変わることによって体内で使えるのですが、これには酵素が必要でこの酵素を持っていない場合は葉酸の多い食事をしてもサプリメントを摂っていても欠乏してしまいます。
これをメチルテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)の欠損といいます。
この酵素はホモシステインというアミノ酸をメチオニンというアミノ酸に変換する時に使われます。
この酵素がないと摂った葉酸が使えないので体内でホモシステインが増加して動脈硬化になるリスクを高くし、赤ちゃんの神経管閉鎖障害やダウン症、自閉症などの発達異常を作る原因ともいわれています。

貧血予防

妊娠

妊娠すると母体だけでなく、赤ちゃんにも栄養や酸素をたくさん送るので貧血になりがちです。
貧血というと鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」を連想しますが、貧血は鉄の不足だけでなく葉酸やビタミンB12が足りなくなっても起こります

~巨赤芽球性貧血~

巨赤芽球性貧血の予防には、葉酸とビタミンB12 の両方が必要です。
葉酸が主にDNAの合成に関わり、ビタミンB12は葉酸をうまく働かせるための後押しをします。
葉酸はDNAの合成に働いていますが、葉酸が足りないと全身の細胞はもちろん、特に細胞分裂の盛んな骨髄などでDNAの合成障害を起こし、正常な細胞を作ることができなくなります。
この合成障害が起こると細胞が大きくなる傾向にある様です。
特に血液の場合、骨髄で赤血球をはじめとする血球が作られていますが、葉酸が足りないと大きくてすぐに壊れてしまう細胞ばかり作られて、赤血球の仕事である酸素や栄養を全身に運ぶことができず、貧血になります。
これを巨赤芽球性貧血と言います。
身体は貧血の危険を察知して血球を沢山作る様に指令を出しますが、葉酸やビタミンB12が補われるまで、やはり大きくてすぐに壊れてしまう血球ばかりを作ってしまいます。
これを「無効造血」と言います。
葉酸は貯めておくことができず、体内で必要量を確保すると不要な分は排泄されてしまいますから毎日補給しなければなりません。
葉酸の欠乏は、妊娠や授乳で需要が多くなることやアルコール依存症や野菜類を食べない偏食、また、薬剤によっても吸収阻害されます。
ビタミンB12は厳密な菜食や食事をきちんと摂らないこと、また極端なダイエットなどをしなければ通常の食事でも少しずつ身体に入ってくるので不足することは少ない栄養素です。
ビタミンB12は胃の中の内因子があることで、身体の中に取り込むことができます。
普段、ビタミンB12は食べ物から胃に入り、胃の中にある内因子によって小腸で吸収し全身の組織に染み込む様に充満し、貯えられていきます。
この貯える機能があるので、例えば胃を全部切ってビタミンB12が吸収できなくなっていても、貯えていた分のビタミンB12が無くなるまでは欠乏症状が出ないのです。
貯えていたビタミンB12が無くなると、葉酸をたくさん摂っても正常な赤血球が作ることができないので貧血が改善されません。
この内因子がうまく働かない、または無いために起こる巨赤芽球性貧血を悪性貧血とも言います。
胃を切る手術をした人やもともと内因子を持たない人、胃の機能が低下している場合もB12の欠乏を起こしやすくなります。B12を好物とする細菌や寄生虫がいる場合も不足します。
葉酸のサプリメント(合成葉酸)をたくさん摂ると、ビタミンB12が欠乏していても巨赤芽球性貧血の発症を抑えられてしまうので、ビタミンB12の欠乏症が深刻になってから発見されやすいのです。
これを防ぐ為に葉酸を1日に1000μg以上摂取しない様に呼びかけられています。

ダウン症を発症するリスクの軽減

妊娠

日本は女性の晩婚化に伴う高齢出産が多くなったことや、食生活の変化によってダウン症の赤ちゃんの出産率が欧米諸国よりも増加しています。
ダウン症は発達異常の中でも染色体異常のひとつと言われます。
胎児がお腹の中で成長発達している際に細胞をつくる染色体が突然変異を起こしたものです。
21番目の染色体が1本多くなることから「21トリソミー」とも呼ばれています。
通常は流産になりやすいです。
母体が35歳以上である高齢での妊娠でダウン症や染色体異常がおきる可能性が高まるといわれています。
主に卵子の老化が原因で異常が出ると言われることが多く25歳未満での発生頻度は1/2000なのに対し、35歳になると1/300、40歳で1/100の確率です。
もちろん女性ばかりではなく男性も40歳で「高齢」の範ちゅうになります。
男性の精子も加齢によって染色体異常が起きている場合があります。
「妊娠初期に葉酸を摂ることで胎児の細胞分裂が正常に行われるようになる為、葉酸がダウン症を防ぐ可能性がある」という論文が掲載されて以来、葉酸の効果が注目を浴びています。
妊娠初期はもちろんですが、男性、女性ともに妊娠する以前から葉酸を充分摂ることで正常な卵子や精子の細胞を作っていくことがダウン症などの赤ちゃんの発達異常を防ぐために重要です。

葉酸にはダウン症を予防する効果があるの?男性も摂取すべき?

神経管閉鎖障害や二分脊椎症、無脳症の予防

葉酸

神経管閉鎖障害や二分脊椎症、無脳症の予防については葉酸を摂ることで発生率が低下することが明らかになっています。
妊娠1か月以上前から葉酸のサプリメントを400㎍摂ることで神経管閉鎖障害の発生リスクは36%減少するといわれており、葉酸を摂る量が高くなるほど発生リスクは低くなります。
正常な細胞を作る為に葉酸が必要です。

〜神経管閉鎖障害〜

胎児の神経管閉鎖障害とは、受胎後約28日に閉鎖するはずの神経管が閉じないで開いたままになっている為に起こる中枢神経系の形成異常のことをいいます。
この時期は妊娠4週目頃で胎芽と呼ばれる時期で細胞の増殖が最も活発な時期で重要な器官である脳や脊髄などの中枢神経(神経管)や心臓の基となるものが作られます。
正常な中枢神経系は皮膚、脊椎や頭蓋骨などの骨で覆われ保護されていますが、神経管の閉鎖がうまく行われずに脊髄がむきだしになったままになっていると癒着や損傷を起こし様々な神経障害を起こします。
神経管障害には上部で起こる脳の形成不全と下部で起きる脊髄の形成不全があります。

脳の形成不全(上部)~無脳症~

胎児の脳の一部または全部がない状態。
ほとんどが流産や死産となりますが、仮に出産となった場合も長く生きることができません。
現在は妊娠初期から中期の間にエコー検査の画像でわかるので人工妊娠中絶手術を選択する場合が多いです。

脊髄の障害(下部)~二分脊椎症~

脊髄の異常が起こる部位によっても症状が大きく異なり、脊髄が開放しているままなのか、閉じた状態でなっているかでもまた症状が異なってきます。
発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し内臓の機能にも大きく影響を及ぼします。
症状の個人差が非常に広いのも特徴です。

① 顕在性二分脊椎症(開放性)

出生後すぐ、脳神経外科の医師によって開いている背部の閉鎖手術が必要です。
損傷場所や重度から軽度の症状によっても障害の程度は異なります。
下肢に障害があれば車いすや補装具が必要となります。
損傷による神経麻痺のために排泄障害を起こしている場合は、自分で排泄することができないので導尿などの処置が必要となります。

② 潜在性二分脊椎症(閉鎖性)
成長期、身長が伸びることで癒着している脊髄が引き延ばされて下肢の神経の機能低下が起こると転倒しやすくなる、尿を漏らす様になるなどの症状が出てくることがあります。

流産、早産のリスク低下

妊娠

妊娠する1年前から葉酸を摂っていると赤ちゃんを早産するリスクが低くなる
(参照 妊娠1年前からの葉酸摂取は早産リスクを半減、米研究報告 AFP BB NEWS

少なくとも1年間、葉酸を摂ることで妊娠20~28週での早産を70%、28~32週の早産を最大で50%も減らすことができるという報告があります。
葉酸を摂ることで正常な細胞が作られ、妊娠継続に必要な強い子宮内膜が作られますし、胎児の奇形や発達異常を防いでくれるので流産や早産になり難くなります。
早産や流産は子宮筋腫や子宮の奇形や糖尿病や高血圧等の疾患に関するものもありますが、過労やストレス、身体の冷えに関するものは葉酸等の栄養素の摂取を充実させればある程度防ぐことができる場合もあります。
神経の伝達物質であるドーパミンやセロトニンの生合成にも葉酸が関与しており、自律神経の乱れを改善することを助けてくれます。
体の血行を改善し、ストレスからの負担を軽くしてくれる効果があります。

つわりの軽減

つわりの原因はいまだに充分に解明されていないのが現状です。
妊娠するとエストロゲンやプロゲステロン、hcg(ヒト絨毛ゴナドトロピン)というホルモンが大量に増加することで起こる場合とビタミンB6、葉酸の不足、そして精神的な要因がつわりに関連していると考えられています。
妊娠中は胎児の活発な細胞分裂を支えるために、大量の葉酸やその他のビタミンやミネラルが必要になります。
特に母体の葉酸やビタミンB6が不足することで気持ち悪くなったり、嘔吐してしまうのではないかといわれています。
また、つわりによって食事が摂れなくなることもあり栄養素が摂れないことで余計に悪化させてしまう悪循環にならない様に妊娠前から葉酸だけではなく、つわりに効果のあるといわれるビタミンB6もしっかり摂る習慣を付けましょう。
また葉酸のサプリメントの中でもビタミンB6が含まれているものもありますので、そういうものを選んでおくのも良いと思います。

※嘔吐がひどく、水分も摂れない場合は母体にも赤ちゃんにも危険ですのですぐに病院に行くことをおすすめします。

自閉症やうつ病の予防

葉酸

自閉症との関連

自閉症の原因はまだ明らかになっていませんが、葉酸を妊娠する4週間前~妊娠8週まで摂っていた母親から生まれた子供は自閉症になるリスクが39%低いということが分かりました。
胎児の中枢神経(脳や脊髄)を正常に発達させるためにも葉酸が必要です。

(参照 あなたの健康百科
(英文元記事 JAMA The Journal of the American Medical Association

うつ病との関連

葉酸は神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの生合成に関与しており、精神状態を安定させる働きがあります。
うつ病患者の場合、普段の食生活で野菜を摂ることが少ない、アルコールの摂りすぎなど食事の偏りがあることが多く、うつ状態の人の80%に葉酸の不足がみられるという報告もあります。
特に男性は食事中の葉酸の摂取量が増えるほどうつ症状の人が少なくなるという結果が出ています。
これと同じような調査が各国で行われており、同様の結果となっています。

うつ病と葉酸の関係について調べた研究はこちらをどうぞ
栄養素摂取量とうつ症状との関連:成人日本人を対象にした横断研究 国立国際医療センター」

葉酸をサプリメントで摂取すべき理由

葉酸

厚生労働省はサプリメントで摂取することを推奨しています

妊娠を計画している女性に対して神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスのとれた食事が必要である。

野菜の摂取を350g程度にする等、適正な食品摂取量を確保すれば1日0.4mgの葉酸の摂取が可能であるが、現状では食事由来の葉酸の利用効率が確定されていないことや各個人の食生活によっては0.4mgの葉酸摂取を確保するのが困難なことが予測される。

米国等の報告では神経管閉鎖障害の発症リスク低減に関して、食事からの摂取に加えて0.4mgの栄養補助食品からの葉酸摂取が勧告されており、通常の葉酸摂取量に加えて栄養補助食品(サプリメント等)から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することが期待される。

我が国において、当面、通常の葉酸摂取量に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取することとすれば、神経管閉鎖障害の発症リスクは集団としてみた場合そのリスクが低減されることが期待されるものである旨、情報提供を行うこと。

高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にするので、医師の管理下にある場合を除き、葉酸摂取量は1日当たり1mgを越えるべきではない。
(出典 神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について 平成12年12月28日

葉酸の摂取量の目安

葉酸

平成25年の国民健康・栄養調査によれば、葉酸を男性で平均289μg/日、女性で平均271μg/日摂取しており、男女とも推奨量を満たしているといわれます。
この数値は全年齢での平均値ですので、各年代によっても摂取量は違っています。
緑黄色野菜や大豆などを食事の中で多く摂っている場合は葉酸が不足することがなかったのに対し、近年の食生活の欧米化やファーストフードの普及、極端な食事制限をするダイエットなどで若い女性の葉酸不足が大きな問題となっています。
また妊娠・授乳中の女性では赤ちゃんが成長発達するために不足しやすくなりますし、慢性のアルコール依存症や痛み止めのアスピリンや避妊薬のピルを服用している人は葉酸の吸収が阻害されるので不足しやすくなります。
食品中の葉酸についても調理で流出してしまう為、体内利用効率は50%程度と見積もられています。
そこで厚生労働省は「当面の間、食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すること」として葉酸としての体内利用効率が85%程度と高い合成葉酸であるプテロイルモノグルタミン酸をサプリメントで摂ることを推奨しています。

妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間、サプリメント等で葉酸を0.4mg(400μg)摂取する

1日に食事から天然葉酸を480μg摂ることに加えて、葉酸サプリメント0.4mg(400μg)を摂るということです。

アメリカでは神経管閉鎖障害の発生リスクを低下させる為、1992年に「妊娠する可能性のある女性は、葉酸を1日400μg摂取しよう!」という勧告文が発表されました。
1998年には穀類(パン、パスタ、米)100gあたり140μgの葉酸を添加することを法律で決定し義務付けています。
その結果、神経管閉鎖障害の発生率は50%減少しました。
以降、葉酸強化食品の導入は51か国で行われており発生率の減少に効果をあげています。
日本の場合、1980年より以前は野菜類の摂取が多かった為、葉酸の摂取量が多く問題がありませんでした。
しかし、近年の食生活の変化に伴って個人での野菜や果物の摂取量が少なくなり、食事中の葉酸の摂取量が減少して、欧米と同じように神経管閉鎖障害の発生率が上がってきています。
日本では神経管閉鎖障害をもった赤ちゃんが1万人に対して約6人の割合で発生しています。
アメリカや諸外国に比べると日本は神経管閉鎖障害の低減対策が10年以上も遅れていると言われるのです。
2000年に厚生労働省から「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」が通達され、2002年に母子手帳にも葉酸の摂取についての項目が付け加えられましたが、葉酸を摂ることの重要性についての認知度はまだまだ低いようです。
現在、葉酸を穀類に添加するなどの葉酸強化食品を導入することは我が国では義務付けられていませんが、食品会社や製菓会社の一部では自主的に葉酸を添加した食品が販売されています。
また埼玉県板戸市は同市内にある女子栄養大学と共同でパン、レトルトカレー、うどんに葉酸を添加した商品を開発、販売して神経管閉鎖障害のリスク低減や、認知症や脳梗塞の予防しようという「坂戸プロジェクト」を実施しています。

天然の葉酸は加熱に弱い

葉酸

葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンで、体内で貯めておくことができないので毎日食事から摂ることが必要です。
主に緑黄色野菜、果物、また動物の肝臓などの食品に天然葉酸は多く含まれています。
加熱や光に弱く、調理中に50%近くが分解するか、水溶性のためにゆで汁に溶け出してしまうので、その効力が失われやすいという性質を持つのが天然葉酸の特徴です。
また長く保存すると酸化して葉酸の量が減ってしまうので新鮮な状態でそのまま生で食べる、煮物やスープなどの溶け出した汁も一緒に食べることができる料理がおすすめです。

葉酸が多い野菜

名 称単 位重 さ葉 酸
ほうれん草2株60g126μg
ブロッコリー2房50g105μg
カリフラワー3房60g56μg
菜の花2本40g136μg
春菊3株60g114μg
白菜葉1枚80g49μg
モロヘイヤ2株50g125μg
チンゲン菜1株70g46μg
大豆もやし1カップ60g51μg
グリーンアスパラガス3本60g114μg
からし菜1本50g155μg
枝豆皮付き6個50130μg

葉酸が多い果物

名 称単 位重 さ葉 酸
パッションフルーツ果汁1カップ200g172μg
マンゴー1/2個90g76μg
パパイヤ(完熟)1/2個130g57μg
ネーブルオレンジ中1個130g44μg
いちご中5粒75g68μg
アボカド1/2個100g84μg

その他の葉酸が多い食品

名 称単 位重 さ葉 酸
鳥肝臓50g650μg
牛肝臓50g500μg
豚肝臓50g405μg
大豆1/5カップ30g90μg
豆乳(無調整)1カップ200g56μg
納豆中1パック50g60μg
焼き海苔19cm×21cm1枚3g57μg
さつまいも中1/2本100g49μg
くり大3個60g44μg

※肝臓はビタミンAが多いので摂りすぎに注意!

生体利用率が低い

食品中の葉酸であるプテロイルポリグルタミン酸または天然葉酸は消化管の酵素によって消化され、モノグルタミン酸になった後に小腸の上皮細胞から吸収され、体内で使われる形の葉酸になるまでさらに様々な段階が必要なので生体利用率が低下します。
生体利用率は25~81%と食材によって異なりますが、約50%程度と見積もられています。

(参照 神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について 参考資料1 平成12年12月28日

天然葉酸と合成葉酸(サプリメントでは合成葉酸を摂ることができる)

一般的に「葉酸」と呼ばれていますが、2つの分類に分かれています。

葉酸の違い

・プテロイルモノグルタミン酸

化学合成された葉酸、Folic Acid
葉酸としての体内利用効率は約85%と効率が良く、安定しているので摂取基準とされサプリメントや薬剤等で使用されています。
過剰摂取となった場合は発熱・蕁麻疹・紅斑・かゆみ・呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあります。
また、ビタミンB12欠乏をわかりにくくするので巨赤芽球性貧血(悪性貧血)や高齢者の認知症を悪化させてしまいます。
亜鉛の小腸での吸収を抑えてしまいます。
がんの治療で使われる薬(抗葉酸剤)の薬効を低減させます。
妊娠中に大量の葉酸を摂取してきた母親から生まれた子供は喘息になるリスクが上がる可能性があります。(通常より25%アップ)
加齢によっても吸収率は下がり、分解できる酵素を持たない人が20人に1人の割合で存在します。
体内で利用するには酵素が必要であり、他のビタミンB2,B3,B6、B12、ビタミンC等が揃っていなければ吸収されず、さらに健康で肝臓や小腸の調子が良い状態でなければ体内で利用できる形になりません。
過剰摂取を避ける為、1日1,000μg(1mg)以内とされています。

・プテロイルポリグルタミン酸

自然食品中の葉酸、Folate
葉酸塩、または天然葉酸と呼ばれています。
調理による加熱や茹で汁で溶出しやすく、葉酸としての利用効率は50%程と言われますが、身体に負荷をかけずに吸収することができますので過剰摂取となっても特に問題はないと言われています。
自然の食品だけで480μgの葉酸が必要な場合はその2倍の960μg分の食品が必要となります。

葉酸サプリメントを摂取するタイミングとは? 朝起きてから? 寝る前?

葉酸サプリ

サプリメントは、医薬品のような飲み方を指定する用量用法の表記は法律上認められていません。
飲む時間(食前など)、飲む量(1回2錠など)、飲み方や対象といった表記は医薬品とみなされてしまい薬事法に抵触してしまう為、はっきりと明記することができません。
サプリメントは1日2~3回に分けて摂ることが基本になります。
葉酸は体内で貯めておくことができないので、余分に摂取した分は数時間から1日程で体外に排出されてしまいます。
1日分を2~3回に分けて、胃腸の働きが最も活発で栄養が吸収されやすい食後に摂ることをおすすめします。

葉酸と一緒に摂取することがおすすめの成分

・ビタミンB12

ビタミンB12は神経や血液、細胞を健康に保ち、全ての細胞の遺伝物質であるDNAの生成を助ける栄養素です。
厳格な菜食主義者や高齢者、胃酸分泌の低い人や胃を切除した人は消化吸収能力が低下または吸収できない場合もあり、欠乏症を起こしやすいです。

・ビタミンB12の欠乏症

疲労、体力低下、便秘、食欲不振、体重減少、巨赤芽球性貧血などを引き起こします。
しびれや、手足のチクチクする痛み等の神経症状が起こることもあります。
欠乏による神経症状をそのまま放置してしまうと神経系を損傷することがありますので早めの治療が必要です。
平衡感覚障害、うつ病、精神錯乱、認知症、記憶力の低下にも関連しています。

・摂取基準

1日のビタミンB12の推奨値対 象
2.4μg18歳~70歳の男女
2.8μg妊 婦
3.2μg授乳婦

・おすすめの食材

主に魚介類、レバー、海苔に多く含まれています。

名 称単 位重 さビタミンB12
イクラ大さじ1杯17g8.0μg
たらこ1腹60g10.9μg
さんま1尾(150g)105g18.6μg
ほっけ1尾(500g)250g26.8μg
かつお節1パック5g0.7μg
イカの塩辛大さじ1杯20g3.3μg
しじみ10個30g8g5.0μg
あさり10個80g32g16.8μg
牛肝臓1切れ40g21.1μg
鳥肝臓1切れ40g17.8μg
豚肝臓1切れ40g10.1μg
焼き海苔小10枚3g1.7μg
味付け海苔小10枚3g1.7μg

肝臓はビタミンAが多いので摂りすぎに注意!

・ビタミンC

ビタミンCは、食品に含まれている水溶性の栄養素です。
葉酸を体内で活性化させる役割があります。
動物性食品からの鉄の吸収を促す作用があるので、貧血の改善や、病気から身体を守るために免疫系が適切な働きをするのを助けます。
体内でコラーゲンの生成や体内の酸化を防ぐために重要な「抗酸化物質」として働いています。

・ビタミンCの欠乏症

不足すると疲労感、歯肉の炎症、皮膚にできる赤色または紫色の小さな斑点ができたり、関節痛、傷の治癒の遅くなります。
壊血病の主症状としてうつ病や歯肉の腫れと出血が起き、歯がぐらついたり抜けてしまいます。

・摂取基準

1日のビタミンCの摂取基準値対 象
100mg18歳~70歳の男女
110mg妊婦
145mg授乳婦

・おすすめの食材

主に果実類や野菜類に豊富に含まれています。

名 称単 位重 さビタミンC
ピーマン1個150g230mg
ミニトマト1個15g5mg
カリフラワー(ゆで)1個250g131mg
黄ピーマン1個150g135g203mg
ゴーヤ(油炒め)1個193g145mg
しし唐辛子(油炒め)1パック90g44mg
パセリ1本5g6mg
ブロッコリー(ゆで)1個165g89mg
アセロラ1個6g102mg
いちご1個25g16mg
バレンシアオレンジ1個分120g48mg
1個228g160mg
パパイヤ1個260g130mg
グレープフルーツ1個280g101mg
キウイフルーツ1個85g59mg
はっさく1個163g65mg
温州みかん1個80g26mg

・ビタミンB6

ビタミンB6を摂ることで妊娠の継続性を高め、初期の流産の防止になることが明らかになっています。
ビタミンB6は多くの食品に含まれており、身体の代謝に関わる100以上の酵素反応にビタミンB6が使われています。
胎児期および乳児期の脳の発達や免疫機能にも関与しています。
また、つわりを軽減する効果もあります。

・ビタミンB6の欠乏症

湿疹、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、貧血、麻痺性発作、聴覚過敏、脳波異常、免疫力低下、抑うつ、錯乱などが起こります。

・摂取基準

1日のビタミンB6の摂取値対 象
1.4mg18歳~70歳以上の男性
1.2mg18歳~70歳以上の女性
1.4mg妊婦
1.5mg授乳婦

・おすすめの食材

様々な食品に含まれていますが、特に魚の赤身等に多く含まれています。

名 称単 位重 さビタミンB6
みなみまぐろ刺身10切れ150g1.62mg
きはだまぐろ刺身10切れ150g0.96mg
さんま1尾105g0.54mg
くろまぐろ刺身10切れ150g1.28mg
さけ1切れ80g0.51mg
めばちまぐろ刺身10切れ150g0.69mg
かつお1切れ100g0.76mg
まさば1切れ80g0.41mg
ぶり1切れ100g0.42mg
まかじき1切れ100g0.44mg
まいわし1尾68g0.27mg
さわら1切れ80g0.32mg
牛肝臓1切れ40g0.36mg
ビーフジャーキー1袋50g0.43mg
鳥肝臓1切れ40g0.26mg
豚肝臓1切れ40g0.22mg
七面鳥薄2枚80g0.58mg
鶏ひき肉卵大1かたまり50g0.34mg
鶏ささみ2本80g0.46mg
鴨肉薄1枚40g0.24mg
鹿肉厚1cm1枚100g0.54mg
にんにく1個64g0.96mg
とうがらし10本27g0.27mg

肝臓はビタミンAが多いので摂りすぎに注意!

こちらの記事もご参考ください。

厚生労働省 妊産婦のための食事バランスガイド

厚生労働省 妊産婦のための食事バランスガイド

最後に

葉酸について厚生労働省がサプリメントで妊娠の1か月前から妊娠3か月まで摂取することを推奨していますが、胎児はその後も継続し成長するので、ずっと葉酸の必要性は高いということになります。
国内外の葉酸についての研究結果の資料を調べると、葉酸は胎児の先天異常の予防だけでなく、健全な成育においても必要であり、妊娠をする1年以上前から妊娠中の全期間を通じて葉酸を摂ることが望ましいと言えます。
葉酸だけではなく、葉酸を含むビタミンB群全体を意識して摂ることが良いでしょう。
食事でとれない場合はサプリメントを摂ることも必要ですが、それに依存することではなく、まずはバランスの良い食事を日々意識して摂ることを積み重ねていくことが最も重要です。
食品には様々な栄養素やミネラルが身体に消化しやすい形で含まれています。
食事はいろいろな食品を組み合わせることです。食事に勝るサプリメントはありません。
「妊娠したい!」は今までの食事の摂り方を振り返って頂く良い機会でもあります。
食事の摂り方については以下の「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考にしてください。
葉酸のサプリメントを摂取する事で、神経管閉鎖障害を始めとする胎児の障害や母体の疾患、障害を完全に防止することはできません。
サプリメントは、医薬品とは異なり原料はもちろん、品質や規格が厳重ではありません。
石油から作られた葉酸を使用したものもありますし、オーガニック原料で作られたというものもあります。
ビタミンやミネラル、または美容成分が入っているものもあり、様々な機能があるものがありますので、それぞれの方のライフスタイルに合わせて選んで頂ければと思いますが、できれば医師や管理栄養士に相談し、安心できる品質のサプリメントを摂取して頂く事をおすすめします。

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