葉酸が豊富な食べ物ランキング!妊娠前や妊娠初期におすすめ食材はコレ
2016/07/27
「葉酸ってどうして摂らないといけないの?」
「葉酸を摂りたいけどどんな食べ物が葉酸がたくさん入っているの?」
「妊娠前や妊娠初期におすすめの食べ物ってある?」
「妊娠中だけど摂取しちゃいけない食べ物は何?」
なんてあなたは思っていませんか?
妊活中の女性や妊娠中の女性には葉酸が必要不可欠であることはあなたはご存知だと思います。
でもどの様な食べ物が葉酸をたくさん含んでいるかって中々分からないですよね。
また葉酸以外にもビタミンB12や鉄分など妊娠中には欠かせない成分もあります。
そういう妊娠前や妊娠中に必要不可欠な成分も含まれる食べ物について解説したいと思います。
是非、これを参考に今日から食事を変えてみてくださいね。
目次
葉酸を摂取すべき理由とは
妊娠を望んでいる方や、妊娠中の方の多くは、「葉酸」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、葉酸について詳しく知らない方も多いと思いますので、まずは葉酸とは何かについてご説明します。
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の仲間で、ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれている栄養素です。
妊婦さんが摂るべき栄養素としてよく知られており、妊娠期に適切に摂取することによって、赤ちゃんの先天性異常や早産のリスクを下げることができます。
葉酸は、お母さんの体内で細胞を増殖させるのに必要なDNAの合成に深く関わっている栄養素です。
また、必須アミノ酸のひとつあるメチオニンを生成する際にも葉酸が必要です。
妊娠初期には、赤ちゃんの細胞分裂が特に活発に行われるため、その時に十分な葉酸の摂取がないと、赤ちゃんの発育に悪い影響を及ぼすことがあります。
赤ちゃんの先天性異常のなかには二分脊椎症などの神経管閉鎖障害があります。
この病気は、葉酸を摂取することでそのリスクを軽減できることが分かってきており、日本でも妊婦さんや妊娠可能な女性に対して葉酸の摂取が推進されています。
その結果、葉酸を十分摂取することによって、神経管閉鎖障害のリスクは70%も軽減されると言われています。
(出典 児母第72号、健医地生発第78号、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について、平成12年12月28日参照)
また、妊婦さんだけではなく、一般の人でも不足すると体に悪影響を及ぼします。
代表的な症状は悪性貧血です。
鉄が不足している貧血とは異なり、葉酸が欠乏することによって、赤血球が正常に生成されなくなることで引き起こされる貧血です。
立ちくらみやめまい、頭痛、口内炎などの症状を引き起こす場合もあります。
妊娠前や妊娠初期に摂取すべき葉酸値とは
妊娠前や妊娠初期に摂取すべき葉酸の推奨値はこちらの表を御覧ください。
成人が摂取したほうが良いとされる葉酸の推奨量は一日あたり240µgとされていますが、妊婦さんはそれに加えて、付加量(推奨量)の240µgを摂取すべきとされています。
厚生労働省では、妊娠を計画している女性または妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、通常の食品からの葉酸摂取に加えて、サプリメントなどいわゆる栄養補助食品から1日あたり400µgのプテロイルモノグルタミン酸(合成葉酸)を摂取したほうが良いという通知を出しています。
(出典 児母第72号、健医地生発第78号、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について、平成12年12月28日参照)
妊娠前に摂取する葉酸値
妊婦さんだけではなく妊娠前の女性が葉酸を摂取すべきなのは、どうしてでしょうか?
妊娠0週から4週までを妊娠超初期と呼びますが、この妊娠超初期から、赤ちゃんの細胞分裂は活発に行われており、この時期から重要な器官の形成は始まっています。
しかし、妊娠が分かるのは多くが妊娠5週目以降なので、葉酸を妊娠前から摂っておかないと、妊娠に気付いたときには赤ちゃんの細胞分裂や重要な器官の形成はすでに始まっているのです。
妊娠の1か月以上前から摂取すべきと言われていますが、妊娠したことはすぐにはわかりません。
そのため、赤ちゃんが欲しいと考え始めたらすぐに葉酸を摂り始めるようにしましょう。
摂取すべき量は、通常の食品から毎日240µg以上を摂取できるようにし、厚生労働省の勧める400µgをサプリメントで補うとよいでしょう。
こちらの記事もご参照ください。
(参照:二分脊椎症と葉酸:葉酸経口摂取量と葉酸血清濃度)
妊娠初期に摂取する葉酸値
それでは、妊娠前から意識して摂取し始めた葉酸は、いつまで摂取することが必要なのでしょうか?
厚生労働省では妊娠3か月までの間、通常の食品に加えてサプリメントにより葉酸400µg摂取するように勧めています。
3か月までは妊娠前と同様に、食品から毎日240µgとサプリメントにより400µgを確実に摂取するようにし、4か月目以降は、推奨量に付加量を加えた480µgを食品から摂取するようにするとよいでしょう。
480gを食品から摂取するのが難しい場合はサプリメントを利用することで十分に補うことができます。
ここまで、妊娠前から妊娠初期の葉酸摂取の重要性を述べてきました。
もうすでに妊娠中の方で、「葉酸摂取を意識することなく妊娠初期を過ぎてしまった」という方もみえるかもしれませんね。
そんな方もご安心ください。
葉酸は摂り溜めできるものではなく、毎日の継続的な摂取が重要なのです。
あまりにお母さんが心配したりストレスを抱えてしまうとお腹の赤ちゃんによくありませんので、過ぎたことは気にせず、今から葉酸を意識した規則正しい食生活を送るようにしましょう。
葉酸の過剰摂取について
葉酸の重要性についてはご理解いただけたと思いますが、葉酸不足ならないようにすることが重要である一方、摂り過ぎである過剰症も気になるところですよね。
水溶性ビタミンは、脂溶性ビタミンに比べて過剰摂取による健康被害が少ないとされていますが、葉酸の過剰摂取では健康被害も報告されているので念のため注意が必要です。
過剰症の症状としては、食欲不振、めまい、吐き気、不眠症などがあります。
一般的には、食品から葉酸を摂取しているだけでは過剰症が起きる可能性は低いとされていますが、サプリメントを利用している場合は過剰摂取に注意しましょう。
特に、サプリメントを複数飲んでいる場合には、含まれている栄養素に重複がないか確認する必要があります。
また、葉酸の過剰摂取はビタミンB12不足の診断に悪影響を与えることがあるので、葉酸の上限量は1日あたり1mg(1000µg)を越えないようにしましょう。
食べ物から葉酸を摂取する時に注意する点とは
それでは、葉酸を食品から摂取する際には、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか?
葉酸を効率よく摂取するために大切な注意点や、摂取する際のポイントを挙げたので見ていきましょう。
葉酸は加熱に弱い
食品中の葉酸の多くは、ポリグルタミン酸型(天然葉酸)という形で存在していて、酵素たんぱく質と結合した状態をとっています。
このポリグルタミン酸型の天然葉酸は、サプリメントに使用されているモノグルタミン酸型の合成葉酸に比べて加熱調理によって活性が失われやすいという特徴があります。
そのため、食品を調理するときには、加熱し過ぎないように注意しましょう。
また、水溶性ビタミンであるため、茹で汁などへの流出にも注意が必要です。
葉酸は生体利用率が低い
サプリメントに含まれる合成葉酸の生体利用率は、85%程度と言われています。
一方、食品に含まれる天然葉酸の生体利用率は25~81%とばらつきが大きいのが特徴です。
平均すると食品中の葉酸の生体利用率は約50%と、合成葉酸より低いので注意が必要です。
また、葉酸は一緒に食べる他の食品によっても影響を受けることが分かっています。
葉酸の吸収に関わっているコンジュガーゼという酵素を阻害する食品もあるので、食べ合わせにも注意が必要です。
パートナーの男性にとっても重要
葉酸は妊娠前から妊娠中の女性だけではなく、パートナーの男性にもぜひ摂取していただきたい栄養素です。
葉酸には赤ちゃんの細胞分裂を活発にさせる機能だけではなく、男性が葉酸を摂取することによって、精子の分裂にも良い影響を及ぼし、染色体の異常や先天性異常のリスクも低下させることができます。
さらには、男性の葉酸摂取により、神経管閉鎖障害のリスクの低下にもつながることも分かってきています。
そのため、葉酸は夫婦で摂取するとよりよいでしょう。
葉酸と一緒に摂取した方がよい成分とは
お母さんの健康やお腹の赤ちゃんの健全な発育には、葉酸だけではなく様々な栄養素をバランスよく摂ることが重要です。
葉酸を効率よく摂取するために、葉酸の吸収に関わる栄養素や、それに加えて妊婦さんに起こりやすい貧血や便秘の改善にも役立つ栄養素をご紹介します。
ビタミンB6
ビタミンB6は水溶性は水溶性のビタミンになります。
体から排出されやすいために過剰摂取が起こりにくい反面、適宜摂取しないと欠乏症になる恐れもあります。
女性なら美容効果の方で聞いたことがある方も多いかもしれないですね。
ビタミンB6を摂取することで妊娠の継続性を高め、初期の流産の防止になることが研究により判明しています。
ビタミンB6は多くの食品に含まれており、身体の代謝に関わる100以上の酵素反応にビタミンB6が使われています。
胎児期および乳児期の脳の発達や免疫機能にも影響を与えています。
また、つわりを軽減する効果もあります。
つわりは妊娠超初期と言われる5週目くらいから16週目くらいで終わると言われていますが、この時期は積極的にビタミンB6を摂取しましょう。
またビタミンB6を葉酸と摂取することで心血管疾患のリスクを軽減するという研究結果も出ています。
(参照:葉酸、ビタミンB6で心血管疾患のリスクが低下 5.8万人を調査)
ビタミンB6の摂取推奨値
1日のビタミンB6の摂取値 | 対 象 |
---|---|
1.4mg | 18歳~70歳以上の男性 |
1.2mg | 18歳~70歳以上の女性 |
1.4mg | 妊婦 |
1.5mg | 授乳婦 |
ビタミンB6を摂取するのにおすすめの食べ物
名 称 | 単 位 | 重 さ | ビタミンB6 |
---|---|---|---|
みなみまぐろ刺身 | 10切れ | 150g | 1.62mg |
きはだまぐろ刺身 | 10切れ | 150g | 0.96mg |
さんま | 1尾 | 105g | 0.54mg |
くろまぐろ刺身 | 10切れ | 150g | 1.28mg |
さけ | 1切れ | 80g | 0.51mg |
めばちまぐろ刺身 | 10切れ | 150g | 0.69mg |
かつお | 1切れ | 100g | 0.76mg |
まさば | 1切れ | 80g | 0.41mg |
ぶり | 1切れ | 100g | 0.42mg |
まかじき | 1切れ | 100g | 0.44mg |
まいわし | 1尾 | 68g | 0.27mg |
さわら | 1切れ | 80g | 0.32mg |
牛肝臓 | 1切れ | 40g | 0.36mg |
ビーフジャーキー | 1袋 | 50g | 0.43mg |
鳥肝臓 | 1切れ | 40g | 0.26mg |
豚肝臓 | 1切れ | 40g | 0.22mg |
七面鳥 | 薄2枚 | 80g | 0.58mg |
鶏ひき肉 | 卵大1かたまり | 50g | 0.34mg |
鶏ささみ | 2本 | 80g | 0.46mg |
鴨肉 | 薄1枚 | 40g | 0.24mg |
鹿肉 | 厚1cm1枚 | 100g | 0.54mg |
にんにく | 1個 | 64g | 0.96mg |
とうがらし | 10本 | 27g | 0.27mg |
※肝臓はビタミンAが多いので摂りすぎに注意!
ビタミンB12
葉酸と同じく水溶性ビタミンのひとつで、葉酸とともに補酵素として働き、赤血球の産生に必要な栄養素です。
水溶性ビタミンのため、過剰摂取の心配はありません。
食品中からのビタミンB12の吸収率は50%くらいになっています。
ビタミンB12の摂取推奨値は、成人の女性で2.4µg、妊娠中の女性で2.8µg、授乳中の女性で3.2µgになっています。
妊婦さんはどうしても貧血になりがちなので、意識して摂取するようにしましょう。
また、葉酸とは異なり、野菜や果物には含まれていないので、ベジタリアンの人などで不足しがちな栄養素です。
動物性食品もバランスよく取り入れることで不足するのを予防できます。
ビタミンB12の摂取推奨値
1日のビタミンB12の推奨値 | 対 象 |
---|---|
2.4μg | 18歳~70歳の男女 |
2.8μg | 妊 婦 |
3.2μg | 授乳婦 |
ビタミンB12を摂取するのにおすすめの食べ物
名 称 | 単 位 | 重 さ | ビタミンB12 |
---|---|---|---|
イクラ | 大さじ1杯 | 17g | 8.0μg |
たらこ | 1腹 | 60g | 10.9μg |
さんま | 1尾(150g) | 105g | 18.6μg |
ほっけ | 1尾(500g) | 250g | 26.8μg |
かつお節 | 1パック | 5g | 0.7μg |
イカの塩辛 | 大さじ1杯 | 20g | 3.3μg |
しじみ | 10個30g | 8g | 5.0μg |
あさり | 10個80g | 32g | 16.8μg |
牛肝臓 | 1切れ | 40g | 21.1μg |
鳥肝臓 | 1切れ | 40g | 17.8μg |
豚肝臓 | 1切れ | 40g | 10.1μg |
焼き海苔 | 小10枚 | 3g | 1.7μg |
味付け海苔 | 小10枚 | 3g | 1.7μg |
ビタミンC
抗酸化作用をもつ水溶性ビタミンで、葉酸を体内で活性型に変換する作用があります。
なので葉酸と一緒にビタミンCを摂取すると葉酸の働きを高め、効率よく利用されます。
その他にもコラーゲンの生成を助けたり、免疫力を高める効果もあり、さらには妊娠中に不足しがちな鉄分の吸収を助ける作用もあります。
ビタミンCの摂取推奨値
1日のビタミンCの摂取基準値 | 対 象 |
---|---|
100mg | 18歳~70歳の男女 |
110mg | 妊婦 |
145mg | 授乳婦 |
ビタミンCを摂取するのにおすすめの食べ物
名 称 | 単 位 | 重 さ | ビタミンC |
---|---|---|---|
ピーマン | 1個 | 150g | 230mg |
ミニトマト | 1個 | 15g | 5mg |
カリフラワー(ゆで) | 1個 | 250g | 131mg |
黄ピーマン | 1個150g | 135g | 203mg |
ゴーヤ(油炒め) | 1個 | 193g | 145mg |
しし唐辛子(油炒め) | 1パック | 90g | 44mg |
パセリ | 1本 | 5g | 6mg |
ブロッコリー(ゆで) | 1個 | 165g | 89mg |
アセロラ | 1個 | 6g | 102mg |
いちご | 1個 | 25g | 16mg |
バレンシアオレンジ | 1個分 | 120g | 48mg |
柿 | 1個 | 228g | 160mg |
パパイヤ | 1個 | 260g | 130mg |
グレープフルーツ | 1個 | 280g | 101mg |
キウイフルーツ | 1個 | 85g | 59mg |
はっさく | 1個 | 163g | 65mg |
温州みかん | 1個 | 80g | 26mg |
鉄分
鉄分は、体内で酸素を全身に運ぶ働きがあります。
妊娠中には血液量が増加しますが、鉄分によって作られるヘモグロビンの量が追いつかないため貧血が起こります。
また、優先的にお腹の赤ちゃんに鉄分が運ばれるようになるため、貧血を起こしやすくなります。
葉酸と同じく、赤血球を作るのに重要な栄養素ですので、積極的に摂るとよいでしょう。
鉄分の摂取推奨値
成人女性 12mg
妊娠初期 15mg
妊娠中期後期 20mg
食物繊維
貧血の他に、多くの妊婦さんが悩まされる症状に便秘があります。
妊娠中の便秘は、ホルモンバランスの乱れなど様々な原因によって引き起こされますが、葉酸を摂取することで腸の粘膜細胞を活発化し、動きがよくなることが期待されます。
葉酸に加えて食物繊維を一緒に摂ることで、便を柔らかくして排出しやすくすることができます。
葉酸が豊富なおすすめ食べ物ランキング
ここまで、葉酸の大切さや摂り方についてご説明してきました。
具体的にどのような食品に含まれているか気になりますよね。
葉酸は動物性商品にも植物性食品にも含まれており、日常の食事の中に取り入れることもそんなに難しいことではありません。
サプリメントで補うことも必要ですが、バランスの取れた食事のなかに自然な形で取り入れることも大切です。
以下に、葉酸が豊富なおすすめの食品をランキングでまとめました。(葉酸値は通常食べられる状態の値を参考に載せてあります。)
1位 納豆
100gあたりの葉酸値:120µg
毎日食卓にあがる家庭も多いのではないでしょうか。
四角いパックに入った納豆は約50gなので、成人の推奨量の25%程度を摂取することができます。
その他にも食物繊維やカルシウム、ビタミンKなどを多く含むため、妊娠中に是非摂っていただきたい食品です。
値段もお手ごろなのでお財布にも優しいですね。
2位 海苔
100gあたりの葉酸値:1900µg
ご飯のお供やおにぎりなど毎日の食事に取り入れやすい食品です。
8切10枚程度で成人の推奨量の25%程度を摂取することができます。
今までの食事を変えることなく、手軽に追加できるので、葉酸を積極的に摂り始めるきっかけとしておすすめです。
3位 ブロッコリー
100gあたりの葉酸値:120µg
小房に分けたもの5、6個で50g程度なので、この量をサラダなどにして食べれば成人の推奨量の25%程度を摂取することができます。
緑黄色野菜のひとつで、ビタミンやミネラルが豊富です。
さらに、スルフォラファンという抗酸化成分が含まれており、がん予防などにも効果があると最近注目されています。
4位 ほうれん草
100gあたりの葉酸値:110µg
お浸しやソテーなど1皿で50g程度なので、一度に成人の推奨量の25%程度を摂取することができます。
ほうれん草はシュウ酸を多く含むため下茹でが必要ですが、茹で過ぎないように注意しましょう。
最近では生で食べられるサラダほうれん草などもあり、栄養素を損なうことなく摂取することができます。
5位 枝豆
100gあたりの葉酸値:260µg
手に入る時期が限られますが、葉酸をとても多く含んだ野菜です。
野菜には本来あまり含まれていないタンパク質も豊富に含まれ、ビタミンCも多いのでおすすめの食材です。
生の枝豆が手に入らない時期には、冷凍のものも市販されているので、そういったものも活用するとよいでしょう。
6位 豆苗
100gあたりの葉酸値:150µg
グリーンピースを発芽させたもので、最近よく見られるようになった野菜です。
安価に手に入り、根の部分を残しておけば自宅でも水耕栽培して再度収穫できるのも魅力ですね。
下茹で不要でさっと炒めて食べられるので、利用しやすい食材です。
7位 小松菜
100gあたりの葉酸値:86µg
ほうれん草は下茹でが必要なのに対して、小松菜はそのまま炒め物やスープなどに使うことができます。
茹で汁への葉酸の流出もなく、効率よく摂取できるのでおすすめです。
また、カルシウムも多い野菜です。
8位 アボカド
100gあたりの葉酸値:84µg
美容にもよいと注目されているアボカドですが、葉酸を多く含んでいます。
葉酸を多く含む野菜のなかでは珍しく脂質を多く含む野菜なので、葉野菜ばかりではなくバランス良く摂るために活用しましょう。
葉酸の他にもビタミンEなどの抗酸化成分も多く含んでいます。
9位 キャベツ
100gあたりの葉酸値:78µg
安価で手に入りやすく、葉野菜のなかでは日持ちがするので、冷蔵庫に常備しておきやすい食材です。
生で食べることも加熱して食べることもできる野菜ですね。
主菜の付け合わせなどに千切りにして利用すれば、生でもたくさんの量を摂ることができるのでおすすめです。
10位 卵
100gあたりの葉酸値:43µg(生)
葉酸値は100gあたり43µgとさほど多くはありませんが、毎日摂ることができる食品で、良質のタンパク質を含んでいます。
加熱したものよりも生のほうが多く含まれるので、新鮮なものを卵かけごはんなど生で食べるように意識してみるとよいでしょう。
11位 いちご
100gあたりの葉酸値:90µg
一般的な果物のなかでは最も葉酸値が多いです。
約7粒で100gなので、10粒程度で成人の推奨量の半分を摂取できます。
また、ビタミンCを多く含んでいるので、果物のなかでは是非摂りたい食材です。
12位 キウイ
100gあたりの葉酸値:36µg
11位のいちごには及びませんが、いちごより安価に、また一年を通して入手できるので、日々の食事に取り入れやすいメリットがあります。
1個が100g程度で、成人の推奨量の15%程度を摂取できます。
また、いちごと同じくビタミンCを多く含んでいます。
13位 菜の花
100gあたりの葉酸値:190µg
冬から春にかけて旬の野菜なので、時期が限られてしまいますが、葉酸が豊富に含まれています。
下茹でが必要ですが、茹で汁に葉酸が流出するのを防ぐため茹で過ぎないようにするか、蒸したりレンジを利用するとよいでしょう。
14位 レタス
100gあたりの葉酸値:120µg(サニーレタス)
生で食べることが多く、加熱により葉酸を損なうことなく摂取することができます。
サラダなどに取り入れやすく、毎日食べても飽きないのがよいですね。
15位 チンゲン菜
100gあたりの葉酸値:53µg
葉酸値では他の野菜に比べて少し劣りますが、小松菜と同様、下茹で不要で使える葉野菜です。
軸の部分が太く食べごたえがあるので、料理にも使いやすいです。
16位 栗
100gあたりの葉酸値:100µg
食事としてではなく、果物以外におやつで摂取するなら甘栗がいいでしょう。
10粒100g程度で、成人の推奨量の20%程度を摂取できます。
糖質も多く含んでいるため、食べすぎには注意しましょう。
17位 ナッツ
100gあたりの葉酸値:98µg(ピーナッツ)
ピーナッツやアーモンドなどのナッツは葉酸を豊富に含んでいます。その他のビタミンやミネラルも多いですが、脂質が多くカロリーが高いため、おやつ程度に量を決めて食べるとよいでしょう。
18位 パセリ
100gあたりの葉酸値:220µg
葉酸値は多いですが、一回に食べられる量が少ないのが難点です。
料理の最後に手軽に使えるように、刻んで常備しておくと手軽に摂ることができます。
19位 わかめ
100gあたりの葉酸値:440µg(素干し)
乾物の値なので、実際に食べる量に含まれる葉酸はあまり多くありません。
しかし、低カロリーのため、カロリーを気にせず積極的に摂ることができます。
また、水溶性食物繊維が豊富なので、便秘が気になる妊婦さんにもおすすめしたい食品です。
20位 レバー
100gあたりの葉酸値:1300µg
葉酸を非常に多く含む食品のため、本来なら一番におすすめしたい食品です。
しかし、ビタミンAも非常に多く含んでいるため、少し注意が必要です。
食品から摂る分にはそこまで心配する必要はありませんが、ビタミンAはお腹の赤ちゃんに先天性異常が起こる危険性が指摘されており、体内に蓄積しやすい脂溶性ビタミンなので、摂り過ぎには注意しましょう。
「ランク外だけど注目食材」
以下に1位~20位には入らなかったものの、注目されている食品をまとめました。
野菜
・ピーマン
100gあたりの葉酸値:26µg
残念ながら葉酸はあまり含まれていません。
緑黄色野菜のひとつでビタミンCやβ-カロテンが豊富です。
・トマト
100gあたりの葉酸値:22µg
残念ながら葉酸はあまり含まれていません。
抗酸化成分として話題のリコピンが豊富で、体内の活性酸素を除去し、様々な病気の予防に役立ちます。
・もやし
100gあたりの葉酸値:39µg
残念ながら葉酸はあまり含まれていません。
しかし、安価でカロリーも低く、食物繊維が豊富なので、たくさん利用したい食品です。
果物
・パイナップル
100gあたりの葉酸値:11µg
パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素ブロメリンの作用で着床しやすくなるという情報から、妊活中の方に人気ですが、葉酸はあまり含まれていません。
・みかん
100gあたりの葉酸値:22µg
ビタミンCやβ-クリプトキサンチンを多く含んでいますが、残念ながら葉酸はあまり含まれていません。
・りんご
100gあたりの葉酸値:5µg
有機酸を多く含み、皮にはポリフェノールが豊富ですが、残念ながら葉酸はあまり含まれていません。
・レモン
100gあたりの葉酸値:31µg
クエン酸やビタミンCを多く含みますが、残念ながら葉酸はあまり含まれていません。
・バナナ
100gあたりの葉酸値:26µg
葉酸の吸収に関わっているコンジュガーゼという酵素を阻害する物質を含んでいるので、葉酸の摂取には適さない食品です。
・グレープフルーツ
100gあたりの葉酸値:15µg
レモンと同様、クエン酸やビタミンCを多く含み、また苦味成分でポリフェノールの一種であるナリンギンを含んでいます。しかし葉酸は多くはありません。
飲み物
・抹茶
100gあたりの葉酸値:1200µg
葉酸値は一見多いようですが、一度に摂取する量が少なく、カフェインも多く含まれているので、妊婦さんが摂取するにはあまり適さない食品です。
・お茶、緑茶
100gあたりの葉酸値:16µg(煎茶)
葉酸値も多くありませんし、カフェインも含んでいるので、あまりおすすめしません。
摂取する場合は1日1、2杯にとどめ、それ以上お茶を飲みたい場合には麦茶などのノンカフェインのものを利用しましょう。
・オレンジジュース
100gあたりの葉酸値:25µg
バナナと同様、葉酸の吸収に関わっているコンジュガーゼという酵素を阻害する物質を含んでいるので、葉酸の摂取には適さない食品です。
・牛乳
100gあたりの葉酸値:5µg
葉酸はほとんど含まれていませんが、妊娠中のカルシウム補給に重要です。妊娠中は特に不足しがちな栄養素ですので、積極的に摂るようにしましょう。
・青汁
メーカーや製品の違いにより、葉酸値が大きく異なっています。
葉酸摂取を目的として飲む場合は、原材料や栄養表示をよく見て利用するようにしましょう。
・ハーブティー
種類にもよりますが、ハーブティーで十分な葉酸摂取は期待できません。
また、なかには子宮を収縮させる働きをもつハーブもあるので、妊婦さんが飲む場合には、原材料をよく見てください。
・ルイボスティー
ノンカフェインでミネラルを多く含むため、妊活中の女性や妊婦さんに人気のお茶ですが、葉酸はあまり含まれていません。
しかし、製品によっては葉酸を添加したものも販売されています。
⇒葉酸が多い飲み物|妊娠前や妊婦におすすめの飲み方やメリット紹介
その他
・もずく
100gあたりの葉酸値:2µg
葉酸はあまり含まれていませんが、水溶性食物繊維が豊富で、便秘の改善に効果があります。
・ひじき
100gあたりの葉酸値:84µg
乾物の値なので、実際に食べる量に含まれる葉酸は多くありません。
また、ヒ素を多く含んでいることが問題になっています。
厚生労働省は、通常の量であれば問題ないとしていますが、妊娠中は少し気を付けたほうがよいかもしれません。
妊娠前や妊娠初期で食べてはいけない食べ物ってある?
妊娠中には、胎盤を通してお母さんの体から赤ちゃんへ栄養が送られます。
また、妊娠中はお母さんの抵抗力が低下するので、感染症には十分注意する必要があります。
以下に、お母さんとお腹の赤ちゃんの健康と安全のために注意すべきポイントをまとめました。
・塩分の多いもの
妊娠中期以降は高血圧になりやすく、妊娠中の高血圧はお母さんやお腹の赤ちゃんに悪い影響を及ぼすことが多いので注意が必要です。
塩分を摂り過ぎないように注意したり、積極的にカリウムを多く含む食品を摂取することで予防できます。
・魚類
魚は良質なタンパク質や不飽和脂肪酸を多く含むため、妊娠中も是非摂取したい食材ですが、魚の種類と食べる量には注意しなければなりません。
マグロやカジキ、キンメダイなどの魚は食物連鎖によって体内に多くの水銀を蓄積していることが分かっており、厚生労働省からも注意喚起がなされています。
・ナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン
リステリア菌を含んでいる可能性のある食品です。
妊娠中は、通常よりもリステリア菌に感染しやすくなり、赤ちゃんに影響がでる危険性があります。
リステリア菌は、食中毒の原因となる菌の一種で、塩分にも強く、冷蔵庫でも増殖するので、食べる場合は十分に加熱して食べましょう。
・コーヒー、緑茶、エナジードリンク
妊娠中はカフェインを摂り過ぎるとよくないと言われますが、これはコーヒーなどに含まれるカフェインが、胎盤を通過して赤ちゃんに影響するからです。
コーヒーや緑茶などカフェインを多く含む飲み物は1日1~2杯にとどめ、ノンカフェインのものを飲みましょう。
・レバー、うなぎ、うなぎの肝など
ビタミンAを多く含むので摂り過ぎには注意が必要です。
ビタミンAは過剰に摂取するとお腹の赤ちゃんに先天的な異常が生じる危険性があります。
食品から摂るぶんには食べすぎない限り問題ありませんが、サプリメントなどを利用している場合は注意しましょう。
葉酸は食べ物だけでは不十分?
食品から葉酸を摂取することを前提にご説明してきましたが、成人の推奨量である240µgに妊婦さんの付加量(推奨量)240µgを足した480µgは、納豆なら約8パック分、ブロッコリーなら400g分に相当します。
食品からのみで必要な葉酸を毎日摂取していくのは、様々な食品から少しずつ摂るとしても、なかなか大変なことですよね。
葉酸サプリをおすすめする理由
そこで、厚生労働省でも、サプリメントにより1日0.4mgの葉酸摂取を推奨しているように、毎日のバランスの取れた食事に加えて、サプリメントを上手に利用しましょう。
・天然葉酸と合成葉酸について
今までご説明してきた食品に含まれる天然葉酸は、ポリグルタミン酸型と呼ばれるもので、これが体内で代謝された後あとモノグルタミン酸型として吸収されます。
この天然葉酸は調理の過程や代謝される間に様々な影響を受けるので、その生体利用率は50%程度となってしまいます。
一方、サプリメントに含まれる合成葉酸は、もともとモノグルタミン酸型なので、天然葉酸よりも安定性が高く、生体利用率も高いので、効率よく葉酸を摂取することができます。
サプリメントは数あるメーカーから様々なものが販売されていますが、このことをよく確認して合成葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)のサプリメントを選ぶようにしましょう。
さいごに
葉酸は妊娠を望む女性や、妊婦さんにとって重要な栄養素です。
野菜など様々な食品に含まれていますが、利用効率も低く、必要とされる量の全てを食品で賄うことは難しいです。
体内に蓄積できないので、毎日継続して摂り続けるが大切ですが、食品からのみではどうしても摂れない日もあるでしょう。
そこで日々のバランスの取れた食事にサプリメントをプラスすることで、毎日十分な量の葉酸をとるようにするとよいです。
妊娠する前から葉酸を摂取することによって、大事な赤ちゃんを神経管閉鎖障害のリスクから守ることができます。
それができるのは、お母さんだけです。
葉酸については幅広くこちらにまとめられています。合わせてご覧ください。
(参照:葉酸摂取のすすめ)